“言葉は思考のベースキャンプ”メモ

4. 仕事のマネジメント

基本がないと変化がない。

(新藤兼人 映画監督・脚本家 NHK2007.9.28)

基本をたたき込めば、そこに個性が咲く。

(毛利 隆雄 MORI BARオーナー兼チーフバーテンダー 朝日新聞2007.10.8)
(付記)激変の時代である現在、常に変化することを求められるが、その一方で、ますます「基本」の重要さが増している。基本のない変化は流されているだけであり、基本のない個性は、我侭なだけである。

「二律背反の克服」こそ、現場の使命。

(遠藤功 ローランド・ベルガー日本法人社長 2005.6.3)
(付記) 一般には「品質を上げるとコストがかかる」と言われるが、この相反する命題を疑問と思わずに「高次元で調和させ、克服する」ことを現場の使命と考え、実行する。これがトヨタの「現場力のすごさ」。
世の中には、品質とコストだけでなく、仕事と家庭、事業の将来投資と社員の今月の給料、教育時間の確保とプロジェクトの完遂等々、二律背反がわんさとある。これらをどちらが大事かという議論ではなく、「高度に調和させ克服すること」が重要と教えてくれる。

ときにはダンスフロアから出て、バルコニーから見下ろせ。

(平野正雄 2004.1.02)
(付記) 目先の仕事を一生懸命やることが第一であるが、ときには鳥の目になって全体を見渡すと、別な展開が開けるかも知れない。

衆知を集めて一人で決める。

(柴田昌治 「会社はなぜ変われないのか」 2004.4.18)
(付記) 一人で決定するということは、勝手に決めてよいということではない。また、失敗したら責任をとって辞めるということではない。決定した人間が最後まで、事柄の面倒を見るということである。

出来ないことは、相談して決めればよい。

(柴田昌治 「会社はなぜ変われないのか」 2004.4.18)
(付記) 一人で悩んだり迷ったりしないような企業文化でありたい。問題を歓迎する、お互いが何をやっているか見えるようにする。風通しのよい環境にしたいものだ。

事業がぶつかりそうになる時には、相手に連絡しろ、相談しろ、許可を取れとは言わない。

(藤田近男 キューピー元社長 日経ビジネス2003.2.17)
(付記) 過度な根回しは不要であるが、「先のひとこと」が「情緒的仲間」に引き込むコツである。ちょっとしたことだが「言葉の投資」を。

「ブランド化」のゴールとは、「リピータの育成」である。

(安原智樹 マーケティングコンサルタント 日経新聞2005.5.22)
(付記) 流通業での話し。「お店に行く」前のブランド価値形成要素(たとえば何かよいものがある店)と、「商品(サービス)を購入する」前のブランド価値形成要素(たとえば価格、アフターフォロー)は異なる。

ITが出来ないことを出来る企業に大きな利益が出る。これがIT革命です。

(伊藤元重東大教授 2002.8.5)
(付記) IT化できるところの生産性や効率性だけに目が行きがちであるが、実はIT化できないところをどう工夫し、効率化するかが重要であるとの指摘。

お客の心理

  1. 買い手は最初から買う気のあるところを見せてはいけないと考えている。

  2. 買い手は、営業がどれだけよく言おうと、完全には信用しない。

  3. 買い手は、我々のオファーに対し、関心よりも強い疑いをもつ。

(不明 2003.10.21)
(付記) 話上手、接待上手だけではよい営業とは言えない。お客様からどこまで信用されているかが勝負。

減価償却や財産税のごとき費用は、一般に固定費であると考えられるが、それは当該資産の購入、賃借あるいは処分の決定を行う経営者にとっては管理可能である。

(小池明 「I/O経営の仕組みと実践」 2006.11.12)
(付記) 経営するものにとっては、あらゆるものが管理可能費である。

ルールに縛られるのではなく守られている。

(森口祐子 プロゴルファー 日経新聞2005.11.1)
(付記) 規則やルールを窮屈だと思わずに、自分を守ってくれる盾や鎧だと思えば、コンプライアンスで問題を起こすようなことはなくなる。
プロゴルファーの森口祐子さん曰く、「ルールというのは、縛られているのではなく、それによって自分が守られているのだ。池にボールを落としてしまえば、浅瀬に無い限りプレーが続けらなくなる。しかし、ペナルティを1つ払って続けられるというウォータハザードのルールがあることにより、プレーヤーは救済されてゴルフを続けることが出来る。OB(Out-of-Bounds)もしかりである。
このようなルールにより「プレーヤーは守られて」プレーが出来るのだ、ルールは自分の活動を縛っていて窮屈なものだと後ろ向きに考えてはいけない、という趣旨のことを森口さんは言われた。