“言葉は思考のベースキャンプ”メモ

3. 人のマネジメント

生きる上で、仕事をしていく上で、大切なことは「奉仕の精神」

(池田守男 資生堂取締役会長  2005.10.13)
(付記) 会社勤めはお金のためということを否定するつもりはないが、それだけでは心が寂しいように思う。何と言っても、お客様から「ありがとう」といわれることが喜びになり、次の仕事への励みになる。そのようにお客様から言って頂けるのは、そこに有料であっても「奉仕」を感じて頂いたからではないだろうか。もう20年も前のことであろうか、「ボランティアは最高の贅沢」という言葉を聞いて感心した覚えがある。「情けは人のためならず(自分のため)」である。

自主性のないところに創造性はない。

(不明)
(付記) 「逆は必ずしも真ならず」である。自主性があれば創造性が出てくるわけではなく、世の中は単純ではない。

性悪説による報告制度とは、「正常である」ことを常に報告させることである。

(日経ビジネス 2002.1.07)
(付記) 「悪いことこそすぐ報告せよ」が企業の基本ルールである。たとえば、キューピー元社長の藤田近男氏曰く「具合の悪いことは報告してもらいたい。得意になることは報告しなくてもよい」(日経ビジネス2003.2.17)
しかしながら、現実はしばしばそのようにはならない。そこで逆転の発想で、「正常であることを報告させる」ことにする。と当然のことながら、悪いこともそのルートで報告されるようになる。なお、畑村先生の「失敗学の法則」では、「失敗情報は組織内を上下動しない」という法則が紹介されている。
失敗を非難しあうのではなく、顕在化して皆でリカバリーする企業文化にしたいものである。

すべての時間を人材育成に。

(ジャック・ウェルチ GE会長 2002.5.30)
(付記) 「The War for Talent」(ハーバードビジネススクールプレス)で引用されている言葉である。これからは人材獲得と人材育成が企業存亡にかかわる重大経営課題であり、企業トップ自らが社員教育の先頭に立つケースが増えてくるであろう。

人も事業も、その長所と潜在力を伸ばし、庭師の心をもって育成に当れ。一人前にするには十年、二十年はかかる。

(小林宏治 NEC社長)
(付記) ドッグイヤーの現在、「3年でプロ」と言わなければならない。しかし、上司はいつも庭師の心を忘れてはならない。

リクルーティングとは、自分の会社の売込みである。

(The War for Talent 2002.5.30)
(付記) 少子化でますます人手不足になるであろう。会社は採用する立場fから採用される立場になっていく。

「話し合う」ではなく「聞き合う」

(柴田昌治「なぜ会社は変われないのか」 2004.4.18)
(付記) 人はなかなか本音を言わない。ましては上司に対しては。コミュニケーションのコツは、聞くことなり。

ばかげた質問は存在しない、ばかげた答えは存在しうる。

(サイモンローリー イクアント社長 日経新聞夕刊 2005.11.9)
(付記) 質問というものは、いつも前向きであり意味がある。それをけなすような答えをしないように気をつけよう。

個人の主観の違いこそが、新たな知を生む源泉。

(野中右郁次郎 日経新聞2005.1.31)
(付記) 金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」の詩を思い出す。

            私と小鳥と鈴と
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
 

つらいことが多いのは・・・

  1. つらいことが多いのは感謝がないから

  2. 苦しいことが多いのは甘えがあるから

  3. 悲しいことが多いのは自分のことしか考えないから

  4. 行き詰まりが多いのは裸になれないから

(岡野雅行)
(付記) 熊本にあるいわし・青魚と炭焼き料理の「詩織」に置いてあったシートの言葉。居酒屋でこのような人生訓を聞くなど滅多にないことである。酒を飲むと愚痴が多くなるので店長が置いたのかどうか知らないが、とにかく気が楽になってお酒が美味しくなった。

Today is the first day of the rest of your life. 

 (人生はこれからだ、今日からまた頑張ればよい)


(早石修 私の履歴書 2006.3.31)
(付記) 「明日は明日の風が吹く」というと、何か投げやりな感じがするが、この有名な英文のことわざの響きは前向きに響くがどうであろうか。有名なことわざ故、NHKラジオビジネス英会話の杉田敏講師によると以下のようなバリエーションがあるという。
  Yesterday was the last day of your life so far.
  Tommorow is the second day of the rest of your life.

人生とは旅である。いい人と歩けば祭り。悪い人と歩けば修行。

(多田浩之 大和警察署スクールパートナー 2007.6.8)
(付記) 大和市のミニコミ誌の「タウンニュース」の記事より。「祭り」ばかりではアホになる、時には「修行」が必要と思えば気も楽になるか。

Genius is 1 percent inspiration and 99 percent persipiraton.
 (天才とは、1%のひらめきと99%の努力である。)

(トーマス・エジソン)
 朝日新聞社主催の「私の折々のことばコンテスト2016」で、中高生に最も影響を与えている有名人として、トーマス・エジソンが2位とのこと、また別の調査の「興味がある20世紀の変革者は?」の問いのトップが、エジソンとの報に接し、高校・大学時代にエジソンにかぶれていた私としては嬉しくなった。
 この名言は、エジソンが「1%のひらめき」の重要さを述べようとしたのか、「99%の努力」の大切さを述べようとしたのか、議論があるようであるが、彼の残した他の言葉、たとえば、"I have not failed. I've just found 10,000 ways that won't work."などをみても、後者のように思う。
 なお後になって、彼の晩節の噂を聞き、ちょっと残念に思った。